被災地での口腔ケア
令和6年能登半島地震から1ヶ月以上過ぎました。
地震において犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
被災地では、水不足、物品不足などの問題から、口腔ケア(歯や入れ歯、口の粘膜の清掃やうがいなど)が困難となるそうです。
阪神・淡路大震災では、高齢者や体の弱った方に肺炎が起こりました。
これらの多くは、口の中の汚れ(細菌など)が唾液とともに肺の方に入ってしまうために起こる「誤嚥性肺炎」と言われています。
大変な状況下の中、忘れがちな口腔ケアですが、災害関連死が起きないようにしっかり口腔ケアを行う必要があります。
★水が全くない場合の方法
唾液には、抗菌作用があります。
唾液が出にくい場合は、奥歯の頬側の辺りや下顎の下の唾液腺をマッサージすると出やすくなります。
そして、唾液を使って歯ブラシで擦る事で歯磨きをする事ができます。
★水を節約しながら磨く方法
水(コップ半分ほど)を2つ用意します。
ひとつ目のコップ①で歯ブラシを濡らしたり、歯ブラシの汚れを落とす用とし、もうひとつのコップ②は最後に口を濯ぐ用です。
歯磨きを繰り返しながら、こまめにコップ①の水で歯ブラシを洗いながら、歯磨きを行います。
最後にコップ②の水で口を濯ぎます。
歯磨き粉がある場合は、泡の少ないものを少量使いましょう!(多い量を使うと濯ぐ水が多量に必要になってしまいます)
防災用品の中に、使い捨て歯ブラシや口腔内リンス剤(水歯磨き剤)を備蓄しておきましょう。
または、普段使われているデンタル用品を多めに買い置きをする事で、いざと言う時に慌てずに済みます。(ローリングストック)
そして、入れ歯を使わている方は、入れ歯を口の中に入れたままにして置くと、入れ歯と粘膜の間にバイ菌が増え炎症を起こします。
必ず外して洗うようにしましょう。
また、日頃から寝ている間は、枕元に入れ歯を置いておく事をお勧めします。
慌てて避難した後、自宅に戻れなかった場合、入れ歯がなくて食事が摂れないなんて事にならない様にする為です。
避難の際は、必ず忘れずにお持ちください。
大きな災害が心配な昨今、いざと言う時に慌てない様に備えて置けば安心ですよね(^.^)